米国Autodesk社が規定している図面交換形式DXFのファイル(*.DXF)を花子に読み込むことができます。
[ファイル-他形式の保存/開く-DXF形式を開く]を使います。
■対応しているバージョン
対応しているバージョン・保存形式は次のとおりです。
- AutoCAD 2006(*.DXF)
- AutoCAD 2004(*.DXF)
- AutoCAD 2002(*.DXF)
- AutoCAD 2000(*.DXF)
- Version14(*.DXF)日本語版
- Version13(*.DXF)日本語版
- Version12(*.DXF)日本語版
▼注意
- 花子で読み込める図形の種別については、変換の詳細を確認してください。
■DXFファイルの読込方法について
DXFファイルを読み込むときには、読込方法を選択するダイアログボックスが表示されます。
データをスケールのとおり読み込むか、A4サイズに拡大縮小して読み込むかを選択することができます。
ただし、DXFファイルを読み込むコマンドによって、次の注意が必要です。
●[ファイル-開く]
- [DXFデータのスケール(尺度)のまま読み込む]を選択した場合
- DXFデータをスケール(尺度)のとおり読み込み、縮尺がそのまま再現されます。
- 読み込まれたデータは、用紙サイズは自由サイズ(描画領域に上下左右20oのマージンを持った用紙サイズとして)になります。
- 花子の用紙最大寸法(1,200o×1,200o)以上のデータは読み込めません。CADソフトなどで縮小してから読み込むか、[A4サイズに拡大縮小して読み込む]を選択して読み込んでください。
- 描画領域が極端に小さな0.25o以下のデータは、花子では表示できません。CADソフトなどで拡大してから読み込んでください。
- [A4サイズに拡大縮小して読み込む]を選択した場合
- すべてのDXFデータを、A4サイズ(上下左右マージン20mm以内)に拡大縮小して読み込むことができます。
- DXFの描画領域がA4に拡大縮小されるため、一定の縮尺(拡大縮小率)にはなりません。
- 拡大縮小されるとき、文字サイズ・線幅を持つデータなどもすべて拡大縮小されます。このため、同じスケールで描かれたデータでも図形数や位置により描画領域が変わり、花子に読み込んだときにスケールが合わないという現象になります。
スケールを合わせたいときは、[DXFデータのスケール(尺度)のまま読み込む]を選択して読み込んでください。 - A4サイズに縮小した際に、図形座標がマイナス方向になるデータは、印字領域内には読み込めません。また、花子のワークスペースにも収まらないデータは、読み込めません。
●[ファイル-挿入読込-重ね合せ/ページ]
- [DXFデータのスケール(尺度)のまま読み込む]を選択した場合
- 線の太さや文字サイズは拡大縮小されません。
- はがきサイズ(148o×100o)〜最大サイズ(1,200o×1,200o)のデータの場合
データを、現在花子で設定されている用紙サイズ(マージン内)に拡大縮小し、挿入します。 - 最大サイズ(1,200o×1,200o)より大きいデータの場合
最大サイズ(1,200o×1,200o)の領域を、現在花子で設定されている用紙サイズ(マージン内)に縮小して、挿入します。
1,200o×1,200oを超える大きなデータの場合、花子で読み込めるサイズ(1,200o×1,200o)以下に縮小してから、花子で読み込んでください。 - はがきサイズ(148o×100o)より小さいデータの場合
はがきサイズ(148o×100o)の領域を、現在花子で設定されている用紙サイズ(マージン内)に拡大して、挿入します。
- [A4サイズに拡大縮小して読み込む]を選択した場合
- 線の太さや文字サイズは拡大縮小されません。
- A4サイズ(上下左右マージン20o内)からの拡大縮小になります。
- A4サイズに縮小した際に、図形座標がマイナス方向になるデータは、印字領域内には読み込めません。また、花子のワークスペースにも収まらないデータは、読み込めません。
■変換の詳細
DXFファイルの各データは、次のように変換されます。
図形
●図形
DXFファイル | 花子2008の図形 |
---|---|
LINE(線分) | 直線 |
XLINE(構築線) | 直線 |
RAY(放射線) | 直線 |
MLINE(マルチライン) | 連続直線 |
POINT(点) | 点 |
CIRCLE(円) | 円 |
ARC(円弧) | 円弧 |
ELLIPSE(楕円) | 楕円 |
POLYLINE(ポリラインの直線) | 連続直線 |
POLYLINE(ポリラインの曲線) | ベジエ曲線 |
LWPOLYLINE | ベジエ曲線(ライトウエイトポリライン) |
SPLINE(スプライン) | ベジエ曲線 |
HATCH(HATCHハッチ) | 塗りつぶし+連続直線 (7種類のパターン以外はすべて一定:パターンID35番に変換) |
HATCH(SOLID塗りつぶし) | 塗りつぶし |
SOLID | 塗りつぶし+連続直線 |
PLINE | 連続直線 |
TRACE | 塗りつぶし+連続直線 |
TEXT(文字) | 1行文字列 |
MTEXT | 文字枠 |
DIMENSION(寸法) | 個々の図形に変換する |
IMAGE(イメージ) | イメージ (読み込めるイメージデータ:.BMP、.JPG、.TIF、.PCT、.PNG) |
TOLERANCE(幾何公差) | 連続直線+文字列 |
LEADER | 連続直線 |
●変換しない図形種類
- BODY(ボディ)
- OREFRAME(OLE・OLEフレーム)・ORE2FRAME
- REGION(リージョン)
- 3DFACE・3DSOLID(3Dのデータ)
- VERTEX(頂点)
●線種
DXFファイル | 花子2008の図形 |
---|---|
CONTINUOUS | 実線 |
DOT | 点線 |
DASHED | 破線 |
DASHDOT | 1点鎖線 |
DIVIDE | 2点鎖線 |
その他の線種 | ユーザー線種 |
●そのほかの変換について
- DXFの画層が花子のAプレーンから順に読み込まれます。Nプレーン以降のデータは、すべてNプレーンに入ります。
ただし、花子で作成した、R14以降の形式で保存したDXFファイルを読み込んだ場合、画層「0」がプレーンA、次からB、C、D という順序になります。
- DXFファイルに付いていた画層名は、花子のプレーン名には反映されません。
- 半径は、0.25mm〜635mmの花子の制限に合わせられます。
- DXFの複合図形・寸法図形は、展開して読み込みます。
- 寸法図形に含まれる基準点は読み込みません。
- DXFのPOLYLINEは花子の連続直線またはベジエ曲線に変換されます。ただし、線幅について、DXFでは端点ごとに線幅を持ちますが、花子は1つの連続直線またはベジエ曲線が1つの線幅しか持ちません。
- 立体図形は変換されますが、一部元図と違った状態になります。
- POINT(点)はすべて点に変換します。
- HATCH(HATCHハッチ)は、R12・R13以外で保存されたものが、花子のHATCHとして変換されます。R12・R13保存されたものは、花子のHATCH属性は持ちません。
また、読み込めるHATCHはDXFの<ANSI31、ANSI32、ANSI34、ANSI37、AR-B816、NET、ANSI35>の7種類です。
文字
●マルチテキスト縦書きを読み込むとき
- 縦書き文字枠を花子の1行文字枠(縦書き)として読み込みます。
- マルチテキストの《横書き・@付きフォント・枠270°回転》による縦書きの場合、花子の《横書き・文字枠270°回転・文字270°回転》として読み込みます。
- 文字枠回転、挿入点に対応しています。
- AutoCADフォントやSHXなどのプロッタ向けのフォントは、花子では使用できません。このため、プロッタ向けのフォントを利用している場合は、文字を正しく配置することはできません。
●マルチテキスト横書きを読み込むとき
- 下記以外のアトリビュートには対応できません。
上線・下線・文字色・フォント・文字サイズ(高さ)・文字高さ倍率・スペース・スペース倍率・斜体・横倍 - 次のDXFのアトリビュートには対応できません。
¥S..^.. 文字を縦に並べる ¥A 縦方向の位置合わせ ¥F フォントファイルネーム指定
●そのほかの変換について
- MTEXTの文字枠の幅を変換するために、文字間隔・文字位置が変わります。また、DXFファイルを読み込んだ後、再描画をすると文字位置が動きます。
- 文字の縦横比を花子の文字の横倍率に変換します。花子の横倍率は50〜200%まで25%単位で設定できますが、これに合わない場合は丸めます。
- DXFのMTEXTは、文字の表示サイズが花子と異なるため、花子には20%程度縮小して読み込みます。このため、実際の文字サイズとは違う文字サイズになります。
- 寸法図形の中にある特殊文字は、下記の場合のみ全角文字に変換されます。それ以外の特殊文字は変換されません。
%%d または %%127 → ° %%p または %%128 → ± %%c または %%129 → ¢ - TOLERANCE(幾何公差)記号は全角スペースに変換されます。
イメージ(IMAGE)
●AutoCAD R14以降の形式でイメージに対して設定できるプロパティについて
- 透過は設定します。
- イメージ表示プロパティがあった場合のみ、イメージを出力します。DXFファイルにイメージ非表示設定があった場合はイメージを出力しませんが、描画範囲は設定されます。
- イメージが回転していた場合、花子上でイメージファイルの回転を設定できないため、AutoCAD上で回転している図形の中心点に合わせたイメージとして出力します。そのため、花子上でイメージが描画範囲を超えて出力される場合もあります。
- 明るさ・コントラスト・フェードは出力しません。
●読み込みできるファイル・読み込めないファイルの処理
- 花子上で読み込み可能なもの
.BMP、.JPG、.TIF、.PCT、.PNG - 花子上で読み込めないイメージデータがあった場合、変換しません。