一太郎文書からEPUB形式の電子書籍を作成する場合、一太郎の機能を余すところなく利用すると、レイアウトを再現できず、見た目が異なってしまいます。そのため、一太郎上で文書を作成するときに、以下の点に留意します。
- 文字飾りはできるだけ直接設定します。
段落属性、段落飾り、ページスタイルで設定した飾りは、反映されない場合があります。 - 画像枠やオブジェクト枠は少なめにします。
- 枠どうしの距離は、できるだけ離します。
枠が隣にある場合は、端末の画面サイズによって見え方が大きく異なってきます。 - 画像枠に対する説明は、枠上で右クリックして表示されるメニューで[枠の説明文]を選択して設定します。
[枠の説明文]に設定した文字は、元の画像を含んだ1つの画像ファイルとして出力します。 - 枠と文字の位置関係を固定したい場合は、枠の基準を「文字」または「行」にし、枠を左または右に寄せます。
- 枠はあまり大きくならないようにします。
大きな枠や画像は、端末によっては、予想よりも小さくなったりつぶれたりします。
- 枠どうしの距離は、できるだけ離します。
- 1ページに複数の画像枠やオブジェクト枠は作成しないようにします。
近くの行に複数の枠がある場合は、枠の左右の位置関係は保証されません。 - 罫線は表以外の形式にしないようにします。
例えば、縦に分割するための罫線を引いたときも、全体を囲む表として出力されます。
そのため、EPUBの「リフロー」の効果が得られにくい場所が生じます。 - 文書中の目次は、ページ番号・リーダー線がない状態で再作成し、該当位置へのリンクが設定されます。
EPUBデータの目次一覧は、目次レベル1〜7が設定された行から別途作成されます。 - 出力されない情報や領域は、利用しないようにします。
出力されないのは、次の機能を利用した情報や領域です。
- 文字飾り-回転の設定
- 塗りつぶしのパターンの網掛け
- 文書情報フィールド、ページ参照
- 重ね文字
中の文字列だけが出力されます。 - 組み文字
普通の文字列として出力されます。 - 割注
普通の文字列として出力されます。 - 差込印刷を利用する機能(差込枠、差込フィールド)
- 段落スタイル・段落属性の以下の情報
- 属性・改行幅-改行幅
- 属性・改行幅-段落間
- 段落飾り-背景色
- 段落飾り-飾りの幅
- 段落飾り-角の丸め
- 文字スタイル・段落スタイル・段落属性の以下の情報
- 字間・ベース位置・ベース位置からのシフト量
- 均等割付・密着割付の設定
- ヘッダー・フッター
- 索引一覧
- 個条書きや段落記号への画像の指定
- 罫線-斜線・括弧
- Word互換罫線枠
1ページ内に収まっている枠は、画像として出力されます。
表の罫線は表示されない場合があります。
ページをまたがるときは出力されません。
※Wordファイルを読み込んでEPUB保存する場合は、「Word互換罫線枠」ではなく「罫線」を使います。
- 簡易作図、部品、花子透過編集
など。
漢文入力支援の機能は、字間・ベース位置・ベース位置からのシフト量を組み合わせて実現しています。このため、漢文入力支援の機能で入力した漢文は、きれいには表示されません。
- 次の機能は、読み手の環境によって、表示が大きく異なる場合があります。
- フォント
スマートフォンで利用できるフォントは、パソコンとは大きく異なります。
例えば、個条書きの行頭記号の一部には、パソコンでは一般的なSymbol系のフォント(Wingdings)が使用されていますが、スマートフォンでは別の文字として見える可能性があります。 - 段組
- 1文書内での縦組み・横組みの混在
など。
- フォント