一太郎で作った文書を元にして、EPUB形式の電子書籍ファイルを作成することができます。
表示する端末や文字サイズに合わせて文章や画像を適切に配置する「リフロー」型で保存したり、意図したレイアウトを保ったまま表示できる「固定レイアウト」型で保存したりすることができます。
操作は次の流れで行います。
I はじめに:文書作成にあたってのご注意
EPUB形式のファイルは、閲覧に使用するビューアーやOSの環境によって、見え方が変わります。
また、一太郎で作った文書をEPUB形式で保存する場合、一部保存できないデータがあります。
【例】
- EPUB形式のファイル内で使用しているフォントが閲覧する環境に存在しない場合は、代替のフォントが使用されます。
- Symbol系のフォントを縦書き中に使用している場合は、横向きに表示されます。
詳しくは次のFAQを確認してください。
II EPUBファイルのプロパティを設定する
■操作
EPUB形式で保存できるのは1つのシートだけです。複数シートがある文書の場合は、EPUB形式で保存したいシートをあらかじめ表示しておいてから、以降の操作を行います。
- [ファイル-他形式の保存/開く-EPUB保存]を選択します。
[EPUBファイルのプロパティ]ダイアログボックスが表示されます。
[タイトル]・[作成者]には、文書情報から取得した情報、または前回の設定が反映されています。 - [タイトル]・[作成者]を、必要に応じて変更します。
- [言語]をクリックして表示される一覧で、EPUBファイルで使用する言語を選択します。
[日本語 [ja]]と[英語 [en]]から選択できます。
- [表紙]で、表紙を付けるか付けないか、付ける場合に表紙に使用するデータを選択します。
表紙を付けておくと、本棚などに並んだときにぱっと見てわかりやすくなります。また、ストアや公開サービスによっては表紙付きを推奨しているものがあります。
- なし
EPUBファイルに表紙を付けません。
- シート
文書内のシートの最初の1ページを表紙にします。
表紙にするシートは、[表紙シート]に表示されたシート名をクリックして表示される一覧から選択します。
[別ファイルにも保存する]を にすると、PNG形式の表紙画像をEPUBファイルと同じ場所に保存できます。画像ファイル名は「(EPUBファイル名)_cover.png」です。※袋とじ印刷する設定の場合は、2ページ分が表紙となります。
- 画像
別途用意した画像ファイルを表紙にします。
表紙にする画像ファイルは、[ファイル選択]をクリックして表示されるダイアログボックスで選択します。
- なし
- [種類]で、文字組を重視するか(リフロー)、レイアウトを重視するか(固定レイアウト)を選択します。
- リフロー
コンテンツを表示する端末の画面や文字サイズに応じて文章や画像の配置が変わります。
小説・エッセイなど文字主体の読み物のコンテンツに適しています。 - 固定レイアウト
コンテンツを表示する端末の画面や文字サイズに関係なく、文章や画像の配置が固定されます。
雑誌など文字と絵や写真を組み合わせたたコンテンツに適しています。※編集中の文書の各ページが画像ファイルに変換されたコンテンツが作成されます。
- リフロー
III EPUBファイルの詳細なプロパティを設定する
必要に応じて、キーワードや説明などの書誌情報の設定、リフロー/固定レイアウトに関する設定を行います。
■操作
- 詳細なプロパティを設定する場合は、[詳細>>]をクリックします。
ダイアログボックスが広がり、詳細な設定項目が表示されます。
※詳細な設定項目が表示されているときは、ボタンは[<<簡易]と表示されます。
[<<簡易]をクリックすると、詳細な設定項目が閉じます。詳細な設定項目に設定した値は、EPUBファイルを保存するか、キャンセルするまでの間、残ります。 - [書誌情報]シート/[リフロー]*1シート/[固定レイアウト]*1シートで各項目を設定します。
*1操作I.-5 で選択した[種類]によって設定できるシートが限定されます。
- 書誌情報
キーワード・説明・発行者・著作権・ISBN*2、作成日・発行日・更新日を設定します。
設定しない情報の項目は、空欄のままでかまいません。*2ISBNは、International Standard Book Number(国際標準図書番号)の略で、書籍出版物の書誌を特定する国際規格です。13桁のコード番号によって表されます。日本国内におけるISBNの発行と運用管理は、日本図書コード管理センターが行っています。
- リフロー
特殊な文字を見た目を優先して画像に変換するか、検索・読み上げを優先して文字として出力するかを設定します。レイアウト枠を画像に変換するだけでなく枠内の文章も出力するように設定したり、目次一覧・索引一覧を更新して目次・索引の文字列にハイパーリンクを設定したりする設定も行えます。
EPUB3.0.1で採用されたオーバーフローコンテンツの表示方法(rendition:flowプロパティ)の設定も行えます。 - 固定レイアウト
各ページを画像に変換する際の画像ファイル形式や画像の画質の設定をします。
※詳しくは、ダイアログボックスの[ヘルプ]をクリックして表示されるヘルプをご覧ください。
- 書誌情報
IV EPUBファイルを保存する
■操作
- [保存]をクリックします。
[ファイル名を付けて保存]ダイアログボックスが表示されます。
- ファイルを保存する場所を選択します。
- [ファイル名]に、ファイル名を入力します。
- [保存]をクリックします。
[EPUB保存]ダイアログボックスが表示されます。
ダイアログボックスには、EPUB保存の進行状況や保存・反映できなかったデータの情報が表示されます。
保存中は、[閉じる]が淡色表示されています。保存を完了すると、淡色表示が解除されます。 - [閉じる]をクリックします。
V こんなときは
- 一太郎ではEPUB形式のファイルを開くことはできません。EPUB形式のファイルを開くには、別途、EPUBビューアーをご使用ください。
- EPUB保存とPDF保存の使い分け
EPUB形式のファイルとPDF形式のファイルは、どちらも環境を問わずに閲覧できるファイル形式です。用途に合わせて使い分けます。
- 文字が中心の文書で、画面の小さな端末でも読みやすくしたい場合:EPUB形式(リフロー)
- 絵や写真・図表が多くレイアウトを重視する場合:EPUB形式(固定レイアウト)
- 絵や写真・図表が多くレイアウトを重視するが、文字データも必要な場合:PDF形式
- Kindle/mobi形式の電子書籍ファイルを作成する場合は、一太郎でKindle/mobi保存を行ってください。一太郎でEPUB保存したEPUB形式の電子書籍ファイルを、ツールなどを使ってmobiファイルに変換すると、適正な結果が得られないことがあります。
- EPUB形式の電子書籍ファイルを電子ブック「kobo」シリーズで閲覧する場合は、操作III.の[ファイル名を付けて保存]ダイアログボックスで[koboに最適化する]をクリックして にします。「kobo」シリーズ以外で閲覧する場合は、 / のどちらでも関係がありません。
※リフローのときは拡張子「.kepub.epub」、固定レイアウトのときは拡張子「.fxl.kepub.epub」で保存されます。