旧バージョンのATOKで使用していた辞書を、ATOK11でそのまま使用することはできません。
旧バージョンの辞書に登録していた単語を利用する場合は、「辞書を合併する」作業が必要です。
以下にご案内する方法で対象になるのは、ATOK7/ATOK8/ATOK9/ATOK10の辞書です。
ATOK6以前の辞書に登録した単語を、ATOK11で利用することはできません。再度単語登録を実行します。
なお、ATOK10の辞書はそのままでもATOK11で利用することが可能です。
ただし、変換精度向上のための内部情報を拡張しているので、ATOK11ではATOK11の辞書を使用することをおすすめします。
■ 操作手順 ■
[辞書合併]機能を用いて複数の辞書の登録単語を一つの辞書にまとめることができます。同じ本体内に旧バージョンの辞書が存在する場合に利用すると便利です。
[辞書合併]には、ATOK11セットアップ時に実行する方法と、[ATOK11辞書ユーティリティ]から実行する二通りの方法があります。
方法1.セットアップ時に実行する
※ATOK9/ATOK10の辞書が対象です。
ATOK8あるいはATOK7の辞書との合併は、セットアップ後、ATOK11辞書ユーティリティで実行します(方法2.参照)。
- ATOK11のセットアップを実行する。
- 画面に表示されるメッセージに従って、セットアップを進める。
セットアップするフォルダの空き容量をチェックした後、ファイルのコピーを開始します。
- コピー終了後、以下のメッセージが表示されたら、[合併する(Y)]をクリックする。
「旧バージョンのATOK辞書が見つかっています。ATOK辞書の合併を行いますか?」
- ATOK9辞書との合併の場合、品詞の設定を選択する。
ATOK9辞書とATOK11とでは品詞体系が異なるため、「固有人名」で登録した品詞の単語を「固有人他」として登録しても良いかどうかを選択する画面が表示されます。
[いいえ]を選択すると、「固有人名」で登録していた単語はATOK11辞書には登録されません。
正確な品詞で登録したい場合は、[いいえ]を選択し、セットアップ後にATOK11辞書ユーティリティの[登録]で個別に登録を行います。
◆ 補足 ◆
-
ハードディスク上にATOK10とATOK9両方の辞書ファイルが存在する場合、ATOK10辞書のみが対象となります。
ATOK9辞書も合併したい場合は、セットアップ終了後、ATOK11辞書ユーティリティで実行します(方法2.参照)。
方法2.ATOK11辞書ユーティリティで実行する
※ATOK7/ATOK8/ATOK9/ATOK10/ATOK11の辞書が対象です。
ATOK9辞書(A:¥JUST¥ATOK9¥ATOK9.DIC)の登録単語をATOK11標準辞書セットに合併する場合
- 画面右下のATOKパレット上で右クリックし、メニューから[辞書ユーティリティ]を選択する。
ATOK11辞書ユーティリティが起動します。
- [辞書合併]をクリックする。
- [読み出し辞書(Y)]・[書き込み辞書(K)]など、各項目を設定する。
- ○読み出し辞書(Y)
-
単語を読み出す元となる辞書(ここではATOK9辞書)を設定します。直接「A:¥JUST¥ATOK9¥ATOK9.DIC」と入力します。
辞書が存在するドライブ名等がわからない場合は、以下の操作で、ファイル一覧から指定します。
- [辞書設定(D)]をクリックする。
- [辞書ファイル設定(F)]をオンにし、[参照(R)]をクリックする。
- [ファイルの場所(I):]の▼をクリックし、一覧から対象となる辞書ファイルを選択して[開く(O)]をクリックする。
- [辞書設定]ダイアログボックスで、[OK]をクリックする。
- ○書き込み辞書(K)
- 単語を書き込む先となる辞書(ここではATOK11標準辞書セット)を設定します。辞書設定(W)をクリックし、[辞書セット選択(D)]欄から「標準辞書」を選択してOKをクリックします。
- ○未登録単語ファイル(F)
- 辞書合併できなかった単語があった場合に、その単語と原因の一覧を保存するテキストファイル名を設定します。ファイル名は、作成する場所(ドライブ・フォルダ名)から入力します。
例) Aドライブの<JUST¥ATOK9>フォルダに「MITOROKU.TXT」という名前で作成する場合
A:¥JUST¥ATOK9¥MITOROKU.TXT
- ※Unicodeで出力する(U)
-
未登録単語ファイルを保存するときに、Unicodeで保存するか、シフトJISコードで保存するかを設定します。
シフトJISコード範囲外のUnicodeをシフトJISコードで保存すると、?に置き換わります。
- <未登録単語ファイルの形式について>
-
「読み、単語、品詞」、次の行に「エラーメッセージ」の形式で作成されます。未登録単語ファイルの内容を修正すると、一括登録用の単語ファイルとして使用することができます。
エラーメッセージは原因に合わせて10種類に分類されており、合併できなかった原因を確認することができます。詳細については、以下の手順でヘルプ画面を開くと表示されます。
- ATOK11辞書ユーティリティの[辞書合併]で、[ヘルプ(H)]をクリックする。
- [コマンドの説明へ]をクリックする。
- [こんなときは]-[未登録単語ファイルを利用する]をクリックする。
- [エラーメッセージ一覧]をクリックする。
- ○単語コメント情報を合併する(C)
- 単語コメント情報を合併するかしないかを設定します。
単語コメントとは、用途に応じて単語に独自のコメントや置換候補を設定するもので、ATOK11からの新機能です。ATOK10以前の辞書を[読み出し辞書]に指定した場合は無効です。
- [詳細設定(S)]をクリックし、各項目を設定する。
- ○開始読み(B)・終了読み(E)
- 登録する単語の読みの範囲を設定します。開始読み・終了読みともに何も入力しなかった場合、すべての単語を登録します。
- ○種類(K)
- 登録する単語の種類を設定します。
・登録単語:単語登録コマンドを利用して辞書に登録した単語
・自動登録単語:学習によって自動的に辞書に登録された単語
- ○対象品詞
- 登録する単語の品詞を限定する場合は、[設定(N)]をクリックします。
- ○自動登録単語を登録単語として合併(M)
-
自動登録単語を登録単語に置き換えて合併するかしないかを設定します。
- 設定後、[OK]をクリックする。
- [実行]をクリックし、辞書合併を実行する。
◆ 注意 ◆
- 単語数が多い場合、合併に時間がかかる場合があります。
- 書き込み辞書と読み出し辞書に同じ単語がある場合、合併の対象となりません。