アウトラインモードでは、文書の構成を階層的にとらえながら練り進め、同時に階層(アウトラインレベル)に見合った段落スタイルを設定することによって、体裁のよい文書を効率よく作ることができます。
論文や小説のような長文を作るときに、思いついたアイデアを書き出して全体の構成だけを考えておき、徐々に肉付けしていくような場合に便利です。
段落の構成組み替えやアウトラインレベルに応じたスタイルの変更も簡単にできます。
また、アウトラインモードでは、文字データを抽出するための条件(文書種類・文字抽出用タグ)を文書中に設定しておくこともできます。報告書や企画書などのフォームを作るときにあらかじめ設定しておけば、蓄積された情報(文書)から必要な情報だけをすぐにピックアップすることができ便利です。
■画面の名称と意味
アウトラインモードに切り替えると、アウトライン専用の画面表示になり、縦ルーラーに注釈行の属性が、横ルーラーにアウトラインレベルの領域が表示されます。
▼注意
- アウトラインモードでは、編集画面タイプをイメージ編集画面/アウトライン編集画面の2種類で切り替えることができ、イメージ編集画面にしている場合はアウトラインレベルの領域は表示されません。アウトラインレベルを確認しながら編集したいときは編集画面タイプをアウトライン編集画面に切り替えてください。
■シンキングバーの使い方
アウトラインモードに切り替えると、画面左側にアウトラインモード用のシンキングバーが表示されます。
※シンキングバーは、[表示-シンキングバー-シンキングバー表示]を選択するたびに表示/非表示が切り替わります。表示されている場合は、メニューにチェックマーク(レ)が付きます。
■ナレッジウィンドウの使い方
アウトラインモードに切り替えると、ナレッジウィンドウにアウトラインモードの操作に合った機能が表示されます。
※ナレッジウィンドウが表示されていない場合は、[表示-ナレッジウィンドウ]を選択して、[ナレッジウィンドウを表示する]を にして表示します。
■<操作例>アウトラインモードで論文を書く
■操作
1 アウトラインモードに切り替える
- シンキングバーの[アウトライン]タブをクリックして、アウトラインモードに切り替えます。
※シンキングバーを非表示にしている場合は、[表示-シンキングバー-アウトライン]を選択しても同じです。
2 構成を考えながら文書を書く
- 大見出しなどアウトラインレベル1にしたい段落は、アウトラインレベル1の領域に入力します。
同じように、アウトラインレベル2〜7・本文というように、構成に応じてアウトラインレベルを分けて入力します。
アウトラインレベルに応じた段落スタイルが自動的に設定されます。※アウトラインレベルの領域が3までしか表示されていない場合は、[表示-画面表示設定]を選択して、[アウトライン編集]シートの[本文左に表示するアウトラインレベル]で表示するレベルを増やします。
- アウトラインレベルを変えたいときは、変えたい段落にカーソルを合わせて、シンキングバーの次のボタンをクリックします。
[アウトラインレベル1に変更]…アウトラインレベルが1に上がります。
[アウトラインレベルを1つ上げる]…1つ上のアウトラインレベルに上がります。
[アウトラインレベルを1つ下げる]…1つ下のアウトラインレベルに下がります。
[アウトラインレベルを本文に変更]…アウトラインレベルが本文に下がります。
- 段落の並び順を変えたいときは、移動したい段落にカーソルを合わせて、シンキングバーの次のボタンをクリックします。
[段落を上に移動]…段落が1つ上の位置に移動します。
[段落を下に移動]…段落が1つ下の位置に移動します。
3 スタイルセットを切り替えて、各段落のスタイルを変える
- ナレッジウィンドウの[スタイル]タブをクリックします。
※ナレッジウィンドウを非表示にしている場合は、[表示-ナレッジウィンドウ]を選択して[ナレッジウィンドウを表示する]を
にして表示します。
- ナレッジウィンドウの[現在のスタイルセット]の[他のセットに変更]をクリックします。
[スタイルセット変更]ダイアログボックスが表示されます。
- [一覧]から文書に設定したいスタイルセット名を選択して、[OK]をクリックします。
選択したスタイルセットが文書に設定され、見出しや本文の段落スタイルが自動的に変わります。
4 保存する
- 必要に応じて、名前を付けて保存します。
●こんなときは
- アウトラインレベルごとの段落スタイルの設定内容を変えたい場合は、ナレッジウィンドウの[詳細変更]をクリックして表示されるダイアログボックスで文字のフォントや飾り、段落の属性や飾りなどの設定を変えます。 →詳しい説明
- 各段落の前に付いているアウトライン記号(
/
/
)を上下にドラッグしても、段落を移動できます。選択した段落に子段落がある場合は、子段落もまとめて移動します。
文書中に文字抽出用タグを挿入している場合は、タグに付いているアウトライン記号()を上下にドラッグすると、文字抽出用タグの単位で移動できます。
◆テクニック
- そのほか、一太郎には論文の作成に便利な機能がいろいろあります。
→文書のマージン(余白)に文字などを入れる−ヘッダ・フッタ−
※アウトライン編集画面では脚注を操作できません。脚注を付ける場合は、イメージ編集画面に切り替えてから操作してください。
■<操作例>各人の報告書から「今期の目標」だけを集める
■操作
1 文字抽出用の条件を設定した報告書フォームを作る
- シンキングバーの[アウトライン]タブをクリックして、アウトラインモードに切り替えます。
※シンキングバーを非表示にしている場合は、[表示-シンキングバー-アウトライン]を選択しても同じです。
- 新規文書に、報告書に必要な項目などを書いて、レイアウトを整えます。
※説明上、ここで「今期の目標」という見出しを入力することにします。
- シンキングバーの
[文字抽出の対象となる文書種類の設定]をクリックします。
[文字抽出用の文書種類の設定]ダイアログボックスが表示されます。
- [文書種類]に「報告書」と入力して、[OK]をクリックします。
右端の▼をクリックして表示される入力履歴や文書種類の例から[報告書]を選択しても同じです。
- 文書中の「今期の目標」の見出し上にカーソルを合わせます。
- シンキングバーの
[文字抽出の対象となるタグの挿入/変更]をクリックします。
[文字抽出用のタグの挿入]ダイアログボックスが表示されます。
- [レベル]で[2 見出しや要点などの区切りに利用]を選択したあと、[タグ名]に「今期の目標」と入力して、[挿入]をクリックします。
文書中のカーソル位置に「<2:今期の目標>」という文字抽出用タグが挿入されます。
- 文書中の「今期の目標」の次に出現する見出しの前にカーソルを合わせて、操作1-6〜7 と同じ手順で「<2:今期の目標終了>」という文字抽出用タグを挿入します。
※文字抽出を実行すると、「<2:今期の目標>」以降の文字データがすべて抽出されます。任意の位置で構造(固まり)を終了したいときは、終了したい位置に別の文字抽出用タグを挿入しておく必要があります。
- 必要に応じてその他の文字抽出用タグも挿入して、名前を付けて保存します。
2 各人が報告書を書く
- 操作1 で作った文書フォームを元に、報告書を書きます。
- 指定されたフォルダ内に名前を付けて保存します。
3 複数の報告書から「今期の目標」だけを取り出す
- シンキングバーの[アウトライン]タブをクリックして、アウトラインモードに切り替えます。
※シンキングバーを非表示にしている場合は、[表示-シンキングバー-アウトライン]を選択しても同じです。
- シンキングバーの
[フォルダ内の文書から、指定したタグ以降の文字データを抽出]をクリックします。
[文字抽出の実行]ダイアログボックスが表示されます。
- [フォルダ]の[参照]をクリックして、フォルダの一覧から抽出の対象とする文書ファイルが入っているフォルダを選択します。
右端の▼をクリックして表示されるフォルダ履歴の一覧からフォルダを選択することもできます。
選択したフォルダのサブフォルダ内の文書ファイルも抽出の対象としたい場合は、[サブフォルダ内も検索する]をにします。
- [対象とするタグ]の[レベル2]に「今期の目標」と入力します。
右端の▼をクリックして表示される入力履歴からタグ名を選択することもできます。
- [対象とする文書種類を限定する]を
にします。
- [文書種類]に「報告書」と入力します。
右端の▼をクリックして表示される入力履歴から文書種類を選択することもできます。
- [条件]で[文字列と完全に一致する]を選択します。
- [OK]をクリックします。
指定したフォルダ内にある複数の報告書の中から「今期の目標」部分だけが抽出されます。
抽出された文字データは、新しい文書ウィンドウに表示されます。必要に応じて編集・名前を付けて保存します。
▼注意
- 文書種類やタグ名には、使えない文字があります。
●こんなときは
- シンキングバーを非表示にしている場合は、ナレッジウィンドウの[文字抽出]でも文字抽出の条件を設定したり、文字抽出を実行したりできます。
◆テクニック