- 著作物にはどのようなものがありますか?
- 著作権者はどのような権利を持っていますか?
- 他人の著作物を利用する場合は、必ず著作権者の許諾が必要になりますか?
- 無料・非営利であれば、著作権者の許諾がなくても利用できますか?
- 外国の著作物を利用する場合も、著作権者の許諾が必要になりますか?
- 個人的なホームページ上で他人の著作物を利用する場合も、著作権者の許諾が必要になりますか?
- 他人の著作物を正当な引用の範囲内で引用する場合の注意点は?
■著作物にはどのようなものがありますか?
著作権法には以下のようなものが著作物として例示されていますが、思想または感情を創作的に表現したものはすべて著作物とされています。 もちろん、ホームページやその中で使われているアイコン、デザイン、画像なども創作性があれば著作物に該当します。
- 論文、小説、脚本、詩、俳句、講演など
- 楽曲、楽曲を伴う歌詞
- ダンスなどの舞踊やパントマイムの振り付け
- 絵画、版画、彫刻、書、舞台装置、美術工芸品など
- 建造物自体(芸術性を備えるもの)
- 地図と学術的な図面、図表、模型など
- 映画
- 写真
- コンピュータ・プログラム
■著作権者はどのような権利を持っていますか?
著作権は、複製権・公衆送信権・上演権・演奏権・口述権・展示権・上映権・貸与権・翻訳権・翻案権
などの、具体的権利によって構成されています。
ここでは、日常生活に特に関わりが深い複製権と公衆送信権をまとめてみました。
※このほかの権利について詳しくは、著作権法や市販の解説書などを調べてみてください。
- 複製権
著作物をスキャナで読み込んだり、ハードディスクに記録したり、紙やはがきに印刷したりする行為はいずれも複製にあたり、著作権者に複製権について許諾を得なければならないのが原則です。※私的使用にあたる場合や印刷されることについて許諾があると考えられる場合などは権利者の許諾を得る必要はありません。
※著作権法で私的使用とされるのは、「家庭またはそれに準ずる限られた範囲での使用」とされています。
- 公衆送信権
ホームページでの情報発信は、著作権法で定める自動公衆送信にあたり、 著作権者に公衆送信権について許諾を得なければなりません。※自動公衆送信の場合は、ホームページのサーバーディスクにアップロードする行為自体が公衆送信権の対象になります。
■他人の著作物を利用する場合は、必ず著作権者の許諾が必要になりますか?
他人の著作物を利用する場合は、原則として、著作権者の許諾が必要です。
※著作権法では「私的使用のための複製」(著作権法30条)や「引用」(著作権法32条)にあたる場合などは、例外的に著作権者の許諾を得ずに利用してもよいとされています。 このような例外を認める規定は他にもありますが、あくまで著作権者の利益を損なってはなりませんので、自分に有利なように拡張して解釈してしまわないように気をつけましょう。許諾を受けるべきかどうか迷うようなケースでは、著作権者の許諾を得ることをおすすめします。
※著作権法で私的使用とされるのは、「家庭またはそれに準ずる限られた範囲での使用」とされています。
■無料・非営利であれば、著作権者の許諾がなくても利用できますか?
無料や非営利の場合でも著作権者の許諾は必要です。
例えば、他人の著作物をホームページやはがきのデザインとして利用する場合は、
一般に非営利ではありますが、著作権者から許諾を受けなければならないことに変わりはありません。
■外国の著作物を利用する場合も、著作権者の許諾が必要になりますか?
日本国内の著作物と同様に、著作権者の許諾が必要です。
国際的な著作権の保護は、ベルヌ条約と万国著作権条約によって行われています。
ベルヌ条約の同盟国や万国著作権条約締約国の国民の著作物は、各国の国内法で保護されることになっており、日本も両条約に加盟しているため、これらの条約国で発行された著作物は日本国内においても保護されます。
■個人的なホームページ上で他人の著作物を利用する場合も、著作権者の許諾が必要になりますか?
個人的なホームページ上であっても、他人の著作物を利用する場合は、著作権者の許諾が必要です。
ホームページは、世界中の不特定多数の者を対象とする情報発信であるため、個人的な内容のホームページであっても私的使用とは見なされません。
※著作権法で私的使用とされるのは、「家庭またはそれに準ずる限られた範囲での使用」とされています。 私的使用に当たる場合は、著作権者の許諾は不要です。
■他人の著作物を正当な引用の範囲内で引用する場合の注意点は?
著作権法で定める「正当な引用」の範囲内であれば、他人の著作物であっても、著作権者の許諾を得ることなく、利用できるものとされています。
「正当な引用」については、公正な慣行に合致しているか、引用の目的上正当な範囲のものかどうかが判断の基本となり、一般に他人の著作物の引用については、以下のような原則があるとされています。
- 引用する著作物が公表されたものであること
- 引用する他人の著作物があくまで「従」であって、「主」ではないこと
- 引用する著作物と自己の著作物とが明確に区別されていること
- その引用が必要不可欠であること
- 引用する量は必要最小限であること
- 著作者の意に反する改変がなされていないこと
- 引用する著作物の出所が明示されていること
上記のすべての要件が満たされない場合には、正当な引用とは認められません。利用をあきらめるか、著作権者から許諾を得て利用するかのどちらかになります。 引用する部分は、元々の情報をそのまま引用しなければならず、変更したり要約したものをもって引用とすることはできません。
※引用は、著作権者の権利を特に制限するものなので、 上記原則に照らし合わせてもはっきりしない場合は、できるだけ著作権者に不利にならないよう考慮しなければならないとされています。 従って、正当な引用に該当するかどうか判断が困難な場合には、著作権者の許諾を得て利用するのが望ましいと考えられます。