Fedora Core 5は、ATOK for Linuxの動作確認済みディストリビューションではありません。
ただし、次の操作を行うと、インストールおよび起動や文字入力などひととおりの基本的な動作が可能です。
参考情報としてご紹介します。
※操作は、Fedora Core 5(Linux)の環境で行ってください。また、下記設定の詳細については、サポート外です。
操作は次の流れで行います。
I Fedora Core 5のパッケージをインストールする
ATOK for Linuxを使用するためにはcompat-libstdc++-33のパッケージがインストールされている必要があります。
次のどちらかの方法で、Fedora Core 5に含まれるcompat-libstdc++-33パッケージをインストールします。
■操作
【Fedora Core 5をインストールするときにcompat-libstdc++-33のパッケージもインストールする場合】
インストールするソフトウェアを選択する箇所で次の操作を行います。
- 「ここで、ソフトウェア選択をさらに詳細にカスタマイズすることができます。・・・」が表示されたら、[即時カスタマイズ]を選択し、[次]をクリックします。
- 左側の一覧から[Base System]を選択し、右側の一覧の[レガシーなソフトウェアのサポート]のチェックをオンにします。
- [ レガシーなソフトウェアのサポート]が選択されている(反転表示されている)状態で、[オプションパッケージ]をクリックします。
- 表示されたダイアログボックスの[compat-libstdc++-33]のチェックをオンにし、[閉じる]をクリックします。
- Fedora Core 5のインストールを継続します。
【Fedora Core 5をインストールした後にcompat-libstdc++-33のパッケージを追加でインストールする場合
Fedora Core 5に含まれるcompat-libstdc++-33を次の手順でインストールします。
下記の手順の代わりに、[Add/Remove Software]を使用してインストールすることもできます。
- rootユーザーでログインし、Fedora Core 5のDVDまたはCDの3枚目をCD-ROMドライブに入れます。
- デスクトップから次のアイコンを順にダブルクリックします。
[コンピュータ]→[CD-ROM ドライブ]→[Fedora]→[RPMS]
- [compat-libstdc++-33-3.2.3-55.fc5.i386.rpm]アイコンをダブルクリックするとインストールが開始します。
※「compat-libstdc++-33-3.2.3-55.fc5.i386のベリファイができません」のメッセージが表示された場合は、[Install anyway]をクリックして継続します。
◆補足
- compat-libstdc++-33パッケージがインストールされていない場合、ATOK for Linuxのインストール("./setup_for_fedora3.sh" の実行)の途中で次のエラーが発生し、インストールに失敗します。
error: Failed dependencies:
libstdc++.so.5 is needed by iiimf-server-trunk_r2059-js1.i386
libstdc++.so.5(CXXABI_1.2) is needed by iiimf-server-trunk_r2059-js1.i386
libstdc++.so.5(GLIBCPP_3.2) is needed by iiimf-server-trunk_r2059-js1.i386
libstdc++.so.5(GLIBCPP_3.2.2) is needed by iiimf-server-trunk_r2059-js1.i386
II ATOK for Linuxを使用するための準備をする
ATOK for Linuxを使用する準備として、SELinuxの設定を変更する必要があります。
▼注意
- 下記は、Fedora Core 5のセキュリティを緩くする変更です。
SELinuxの変更に起因するセキュリティ等のトラブルについては、弊社では責任を負いかねますので、お客様のご判断でお試しください。 - Fedora Core 5のセキュリティを緩くする変更は、ATOK for Linuxをインストールする前に行ってください。
■操作
- rootユーザーでログインします。
- 端末を起動し、次のコマンドを入力してSELinuxのポリシーを変更します。
# setsebool -P allow_execmod true
- ポリシーが正しく変更されたことを確認します。
# getsebool allow_execmod
※「allow_execmod --> on」と表示された場合は、正しく変更できています。
III ATOK for Linuxをインストールする
■操作
- rootユーザーでログインします。
- 次のファイルを2つともダウンロードします。
- インストーラ(setup_for_fedora3.sh)
「インストーラ」上で右クリックして、上記ファイル名のまま保存します。
Mozilla Firefoxの場合は、右クリックして表示される一覧から[名前を付けてリンク先を保存]を選択します。 - アンインストーラ(uninstall_for_fedora3.sh)
「アンインストーラ」上で右クリックして、上記ファイル名のまま保存します。
Mozilla Firefoxの場合は、右クリックして表示される一覧から[名前を付けてリンク先を保存]を選択します。
以降、/tmp/atokディレクトリに保存したと仮定して記載します。
- インストーラ(setup_for_fedora3.sh)
- 手順2.でダウンロードしたファイルに、次の手順で実行権をつけます。
※GNOMEセッションを起動している場合の手順となります。
- デスクトップから次のアイコンを順にダブルクリックします。
[コンピュータ]→[ファイルシステム]→[tmp]→[atok]
- 「setup_for_fedora3.sh」を選択し、メニューから[ファイル-プロパティ]をクリックします。
- [プロパティ]ダイアログボックスの[アクセス権]シートで次のそれぞれのチェックをオンにします。
[所有者-実行]
[グループ-実行]
[その他-実行] - [閉じる]をクリックします。
- 「uninstall_for_fedora3.sh」に対してもiii.と同様の設定を行います。
- デスクトップから次のアイコンを順にダブルクリックします。
- ログアウトします。
- ログイン画面の[セッション]をクリックします。
- [フェイルセーフの GNOME]を選択し、[セッションの選択]をクリックします。
- rootユーザーでログインします。
ログインすると、メニューなどが英語のGNOMEデスクトップの画面になります。
- CD-ROMドライブに、ATOK for LinuxのCD-ROMを入れます。
- デスクトップから[Computer]→[CD-ROM Drive]とアイコンを順にダブルクリックし、CD-ROMドライブをマウントします。
- GNOMEのメニューから端末([Applications-Accessories-Terminal])を起動し、次のコマンドを実行します。
# cd /tmp/atok
# ./setup_for_fedora3.sh /media/ATOK_17_0_2_0 - 使用許諾契約書の同意を確認するメッセージが表示されるので、確認して[y]を入力します。
※以降の詳細は、ATOK for Linuxインストールガイドの「インストールする」の手順5.(P.6)を参照してください。
- ATOK for Linuxアップデートモジュールを導入します。
※「フェイルセーフの GNOME」のセッションで作業を行っている場合は、ダウンロードサイトのセットアップ手順の手順3.と手順4.を行う必要はありません。
- ログアウトします。
- OSを再起動します。
- rootユーザーでログインします。
※フェイルセーフの画面では日本語が表示されないため、ここではセッションをGNOMEまたはKDEにします。
- 端末を起動し、次のコマンドを入力します。
# alternatives --config xinput-ja_JP
- 次のように表示されるので、[2]を入力して「/etc/X11/xinput/xinput.d/iiimf」を選択します。
2 プログラムがあり 'xinput-ja_JP' を提供します。
選択 コマンド
-----------------------------------------------
*+1 /etc/X11/xinit/xinput.d/scim
2 /etc/X11/xinit/xinput.d/iiimf
Enter を押して現在の選択 [+] を保持するか、選択番号を入力します: - ログアウトします。
- 任意のユーザーでログインします。
ATOKが使えるようになります。
※インストール後にATOK for Linuxの設定を行う必要はありません。
IV こんなときは
【日本語入力の入力メソッド(IM)として、SCIM+Anthyを使用したい場合】
日本語入力の入力メソッド(IM)として、Fedora Core 5に含まれるSCIM+Anthyを使用したい場合は、rootユーザーでログインし、次の操作を行います。
■操作
- 端末を起動し、次のコマンドを入力します。
# alternatives --config xinput-ja_JP
- 次のように表示されるので、[1]を入力して「/etc/X11/xinput/xinput.d/scim」を選択します。
2 プログラムがあり 'xinput-ja_JP' を提供します。
選択 コマンド
-----------------------------------------------
* 1 /etc/X11/xinit/xinput.d/scim
+2 /etc/X11/xinit/xinput.d/iiimf
Enter を押して現在の選択 [+] を保持するか、選択番号を入力します: - ログアウトします。
【OSのソフトウェアのアップデート後、ATOK for Linuxが使用できない場合】
ATOK for Linuxをインストール後に、yumなどを使用して Fedora Core 5のソフトウェアをアップデートすると、ATOK for Linuxが使用できない場合があります。
これは、Fedora Core 5のscimパッケージのインストールまたはアップデートの際に、ATOK for Linuxが使用するIIIMFのパッケージ(iiimf-x、iiimf-server)が古い(Obsoletes)ものと判断され、それらのパッケージが削除されることが原因です。
ATOK for Linuxが使用できない場合は、ATOK for Linuxを再インストールします。
また、ソフトウェアのアップデートでこのような状況になってしまうのを防ぐには、次のような操作を行います。
■操作
- /etc/yum.conf をエディタで開きます。
- 以下の1行を追加し、ファイルを保存します。
exclude=scim
※この追加によって、scimパッケージがアップデートの対象から除外されますので、scimを使用する場合はご注意ください。