文書中の特定の部分だけを隠した文書(マスキング文書)を作ります。
企業や官公庁などで内部文書を公開するときに、見せる相手や状況に応じて個人名や金額、機密事項などを隠した状態の文書を作ることができて便利です。テスト問題を作るときなどにも使えます。
文書中の隠したい文字や写真・図・表などは、あらかじめ、フィールドや入力ガイド
、枠(レイアウト枠・差込枠・画像枠・テロップ枠・ビデオ枠・グラフ枠・表枠・オブジェクト枠)を使って入力しておきます。
文字をマスキングする場合は、データの種類や量に応じて、フィールド・入力ガイド・レイアウト枠を使い分けると便利です。
■マスキング文書を作る
あらかじめフィールドや入力ガイド、枠をマスキング対象に指定してから、マスキング文書の作成を実行します。
■操作
1 データを入力する
- 文書に文字を入力したり、写真・図・表などを入れます。
- 文字を入力する(フィールド・入力ガイド・レイアウト枠)
フィールドやレイアウト枠を作って文字を入力したり、入力済みの文字に入力ガイドを設定したりします。
- 写真・図を入れる(画像枠・オブジェクト枠)
- 動画を入れる(画像枠・テロップ枠・ビデオ枠)
- 表を入れる(表枠・オブジェクト枠・レイアウト枠)
- グラフを入れる(グラフ枠・オブジェクト枠)
- 文字を入力する(フィールド・入力ガイド・レイアウト枠)
2 マスキング対象を指定する
- マスキングしたいフィールドまたは入力ガイド上で右クリックします。
枠の場合は、枠を選択して右クリックします。
- 右クリックして表示されるメニューから[マスキング]を選択し、チェックマーク(レ)を付けます。
選択したフィールドや枠などがマスキング対象に指定され、マークや枠線がオレンジ色で表示されます。 *1
*1[表示-画面表示設定]の[共通]シートで、[区別のための下線を表示]が
になっているときは、マークが表示されないため確認できません。
3 マスキングを実行する
- [ファイル-セキュリティ]を選択し、[情報のセキュリティ(マスキング)]の[マスキング文書を作成]をクリックします。
[マスキング文書を作成]ダイアログボックスが表示されます。
- [埋める文字]で、フィールドや入力ガイドの中の文字と置き換えて隠すための文字を設定します。
一覧に置き換えたい文字がない場合は、直接入力することもできます。
- [塗りつぶす色]の右端の
をクリックして、枠の中を塗りつぶす色を選択します。
- [OK]をクリックします。
マスキング文書が別文書として作成され、画面に表示されます。
- 必要に応じてマスキング文書の名前を変えて保存したり、印刷したりします。
※別文書として作られたマスキング文書は、「元の文書名+(マスキング)」という名前が付きます。必要に応じて名前を変えて保存します。
- マスキング1回目 … 重要文書(マスキング).JTD
- マスキング2回目 … 重要文書(マスキング1).JTD
- マスキング3回目 … 重要文書(マスキング2).JTD
▼注意
◆テクニック
- [埋める文字]にスペース(空白)を設定したり、[塗りつぶす色]で白を選択したりできます。
■<コラム>マスキングを実行したときのフィールドや入力ガイド、枠の表示のされ方
マスキング対象に指定していたフィールドや入力ガイド、枠は、次のように表示されます。
【フィールド】
フィールド内の文字は、すべて[埋める文字]で設定した文字に置き換えられます。[埋める文字]の文字数は、フィールドの幅に合わせて表示されます。
フィールドの種類は「文字型」に変換されます。
なお、差込枠や差込フィールドをマスキングした場合は、差込ファイルの設定を引き継ぐか引き継がないかを選択できます。
[例]
【入力ガイド】
入力ガイド内の文字は、すべて[埋める文字]で設定した文字に置き換えられます。[埋める文字]の文字数は、入力ガイドの幅に合わせて表示されます。
[例]
【枠(レイアウト枠・差込枠・画像枠・テロップ枠・ビデオ枠・グラフ枠・表枠・オブジェクト枠)】
元の枠は削除され、同じ位置に同じサイズのレイアウト枠が作られます。新しく作られたレイアウト枠は、[塗りつぶす色]で設定した色で塗りつぶされます。
[例]
■<コラム>文字をマスキングするときのテクニック
文字をマスキングする場合は、データの種類や量に応じて、フィールド・入力ガイド・レイアウト枠を使い分けると便利です。
【フィールド】
金額や日付など、あらかじめ書式が決まっているデータを入力する場合には、フィールドを利用すると便利です。
ただし、2行以上にわたるような長いフィールドは作れません。また、自動フィールドはマスキング対象に指定できません。
【入力ガイド】
入力ガイドを設定すると、ポインタやカーソルを合わせると説明やヒントを表示したり、入力する内容を選択肢として表示することができます。
また、入力ガイドはフィールドとは異なり、全角・半角を問わず512文字までの長い文章を入力したり、入力済みの文字にあとから設定したりできます。
【レイアウト枠】
レイアウト枠を使うと、文書の一部分だけスタイルを変えた文章を入れることができます。また、レイアウト枠の中では、罫線を引いたり簡易作図で図形を描いたり部品を貼り付けたりすることもできるので、表や図形などをまとめて隠したい場合などにも便利です。