PDFに電子署名を付けて、PDFファイルを開いた人が「文書が改ざんされていないこと」と「電子署名が署名者本人のものであること」を確認できるようにします。
電子署名付きPDFを利用する流れは次のようになります。
電子署名を行う人は、デジタルIDを使ってPDFに電子署名を付け、配布します。また、同じデジタルIDをエクスポートして、PDFに付けられた電子署名を検証するのに必要な証明書を用意し、電子署名付きPDFの配布先に別途配布します。
電子署名付きPDFを受け取った人は、別途配布された証明書を使って、PDFの電子署名を検証します。
具体的な操作は、次の手順で行います。
▼注意
法務省オンライン申請システムが提供するPDF署名プラグインソフト「PDF署名プラグイン」を使用して「電子署名付きPDFファイル」の作成はできません。
I はじめに:本製品で付けられる電子署名の種類
[セキュリティ]タブの[電子署名]の[電子署名]では、次の電子署名を付けることができます。
不可視署名は、ページ上には表示されず、署名パネルでのみ確認できます。
- 署名/不可視署名*1
電子署名/非表示の電子署名を付けます。あとから複数の電子署名を付けることができるため、稟議書の担当印・承認印のような運用ができます。
- 署名(変更不可)/不可視署名(変更不可)*1
PDFを変更できないように設定して、電子署名/非表示の電子署名を付けます。PDFを変更したり、あとから電子署名を付けたりすることはできません。
- 証明用の署名(変更制限)/証明用の不可視署名(変更制限)*2
PDFへの変更制限を設定して、文書に1つだけの電子署名/非表示の電子署名を付けます。PDFを変更できないようにしたり、フォーム入力や注釈追加だけを許可したりできます。
- タイムスタンプ*1
タイムスタンプサーバーを利用して、文書にタイムスタンプを付けます。文書を作成した日時を証明できます。
*1証明用の電子署名が付いたPDF、編集が制限されているPDFには、付けることができません。
*2電子署名や証明用の電子署名が付いたPDF、編集が制限されているPDFには、付けることができません。
II 電子署名に使う証明書を準備する
■操作
電子署名には、証明書のデジタルIDか、ICカードを使用できます。
- 証明書のデジタルIDを使用する場合は、本製品でデジタルIDを作成するか、既存のデジタルIDファイルからデジタルIDを取り込みます。
- ICカードを使用する場合、官職証明書(GPKI)/職責カード(LGPKI)/MEDIS HPKI署名用電子証明書/マイナンバーカード*1/旧ICカードに対応しています。 ICカードリーダーなど、必要な環境を整えてください。
*1マイナンバーカードでの署名には、「JPKI利⽤者ソフト」が必要です。
公的個⼈認証サービスより、ダウンロードをしてください。
III PDFに電子署名を付けて保存する
■操作
- 電子署名を付けるPDFファイルを開きます。
- 「証明用の署名(変更制限)」や「証明用の不可視署名(変更制限)」の電子署名を付ける場合は、PDFへの変更制限を設定します。
- [ファイル-オプション]を選択し、[グループ]で[電子署名-署名の作成]を選択します。
- [証明用の署名の許可する操作]で、[変更不可]/[フィールドの変更を許可]/[注釈とフィールドの変更を許可]のどれかを選択し、[OK]をクリックします。
- [セキュリティ]タブの[電子署名]で[電子署名]をクリックし、[署名を付与]/[不可視署名を付与]/[署名を付与(変更不可)]/[不可視署名を付与(変更不可)]/[証明用の署名(変更制限)を付与]/[証明用の不可視署名(変更制限)を付与]のどれかを選択します。
※手順3.で[署名を付与]/[署名を付与(変更不可)]/[証明用の署名(変更制限)を付与]を選択した場合は、挿入する位置を指定するようメッセージが表示されるので[OK]をクリックします。ページ上の署名を配置したい場所で、署名の大きさをドラッグして指定します。
[証明書の取得設定]ダイアログボックスが表示されます。
- 署名に使用する証明書を[登録済みのデジタルID]または[ICカード]から選択します。
- 登録済みのデジタルID
操作II.で準備したもののように、[セキュリティ]タブの[電子署名]の[デジタルIDの管理]で、[デジタルID]のグループに登録されているデジタルIDを使用します。
選択欄をクリックして、使用するデジタルIDを選択します。 - ICカード
官職証明書(GPKI)/職責カード(LGPKI)/MEDIS HPKI署名用電子証明書/マイナンバーカード/旧ICカードを使用します。
選択欄をクリックして、ICカードの種類を選択します。※手順3.で[署名を付与]/[署名を付与(変更不可)]/[証明用の署名(変更制限)を付与]を選択した場合は、ダイアログボックスに[外観設定]が表示されます。クリックすると、署名に画像ファイルやスタンプを表示したり、署名に表示するテキスト情報を設定したりできます。
- 登録済みのデジタルID
- [次へ]をクリックします。
- 手順4.で[登録済みのデジタルID]を選択した場合
- [文書に署名]ダイアログボックスが表示されるので、表示される証明書の情報を確認します。
[パスワード]に、入力欄が表示されている場合は、デジタルIDのパスワードを入力します。
- [次へ]をクリックします。
- [署名情報]ダイアログボックスが表示された場合は、必要に応じて署名理由/署名場所/連絡先を設定し、[次へ]をクリックします。
- [文書に署名]ダイアログボックスが表示されるので、表示される証明書の情報を確認します。
[名前を付けて保存]ダイアログボックスが表示されます。
- 手順4.で[登録済みのデジタルID]を選択した場合
- 電子署名付きPDFの保存先とファイル名を設定します。
開いていたPDFを残しておきたい場合は、別の名前を設定します。
- [保存]をクリックします。
電子署名付きPDFが保存されます。手順3.で[署名を付与]/[署名を付与(変更不可)]/[証明用の署名(変更制限)を付与]を選択した場合は、ページ上に署名が表示されます。[不可視署名を付与]/[不可視署名を付与(変更不可)]/[証明用の不可視署名(変更制限)を付与]を選択した場合は、ページ上には表示されません。署名パネルで確認します。
IV 署名パネルで電子署名を確認する
■操作
- 画面左側のナビゲーションウィンドウのアイコン一覧で
をクリックし、署名パネルを表示します。
署名パネルに、PDFに付けた電子署名が表示されます。
V 配布用の証明書を用意する
次の手順で、電子署名に使ったデジタルIDをエクスポートして、配布用の証明書を作成します。作成した証明書は、電子署名付きPDFの配布先に、別途配布します。
■操作
- [セキュリティ]タブの[電子署名]で[デジタルIDの管理]をクリックします。
[デジタルIDの管理]ダイアログボックスが表示されます。
- 左側で[デジタルID]を選択します。
右側に、登録されたデジタルIDの一覧が表示されます。
- 一覧で、エクスポートしたいデジタルIDを選択します。
- 右側の上部にある[証明書をエクスポート]をクリックします。
ファイルを保存するダイアログボックスが表示されます。
- 保存する場所とファル名を設定し、[保存]をクリックします。
PKCS#7形式の証明書ファイル(*.p7b)がエクスポートされます。
- [閉じる]をクリックし、[デジタルIDの管理]ダイアログボックスを閉じます。
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